大好きな児童書に、『グドーさんのおさんぽびより』というものがある。 元は小3の娘の愛読書だったのだけど、ふと気が向いて借りてみたら私もその魅力にすっかりハマってしまった。 グドーさんという中年(初老?)の男性が、気の置けない友人と一緒に人生を楽しむ日常をひたすらのんびりと描写する(だいたい散歩とお茶と読書とおしゃべりばかりしている)1エピソード2,000字程度の短編集。リズミカルな文章と独特のタッチのイラストが織りなす心地良い絵本なのだけど、その中に『ウアカリさんとインドリさん』という話がある。 グドーさんと友人のイカサワさんが、趣味のバロック音楽を愉しむ話だ。 2人で春のなかなか暮れない宵に…