非天夜翔 山には木があり 第5章 むちうち罰: 彼は玉玦に近づかなかった。昭(ジャオ)夫人は玉を取ると、姜恒(ジャンハン)の手に押し込んだ。上からぎゅっとしめつけられ、姜恒は五指が痛くなった。 「持って行きなさい。」昭夫人は姜恒に冷たく言った。 姜恒は怖くなり、半歩下がって、その玉を受け取った。彼が母の口から自分の父について 聞いたのは、これが最初で最後だった。 姜恒の記憶の中で、父という概念はかなり曖昧だ。ずっと姜家に閉じ込められ、よその世界のことは知らないので、自分に父がいないことを不思議に思っていないし、別に父を必要ともしていない。心の中では何となく、書簡の中にしか存在しない父という…