《憲法が定められてから50年以上たちますが、その間にさまざまな新しい問題が生まれてきました》(櫻井よしこ『憲法とはなにか』(小学館)2000年刊、p. 42) 逆に言うと、憲法制定当時は(大きくは)問題がなかったという認識である。 《時代の変化とともに新しい権利に対する考え方も次々に生まれてきました。たとえば、憲法には国民は健康に暮らす権利があると定められていますが、その中に環境権という用語は入っていません。同様に「知る権利」についても、憲法制定当時には考えられていませんでした。日本は憲法を一度も改正せずにきたため、そうした権利規定が抜け落ちているのです》(同) しばしば現憲法は、表裏一体であ…