11月2日『産経新聞』夕刊、「第三文明」および「文芸社」の広告より つまらない室の まつたくつまらない夜 ふたつの新聞広告を見ていて それもくだらない ことなのに眠れないあたま が長い時間を与えられたために 考えさせられる たとえばこれ── 人類にとつて「善」とはなにか──鈴木光司 少なくともそれは かれの小説ではないし おれのへたくそな詩でもないし 第三文明でも 非営利のあつまりでもない ましてやひとびとのふところから 金銭を差しださせ 考えることを忘れさせてしまう新興宗教 では決してない 信じるものをなにももたず うたぐることで生きすすめてきた おれにはまずもつて じんるいも ぜんも えそ…