『殉教の中国イスラムー神秘主義教団ジャフリーヤの歴史』(張承志著・植村坦編訳 亜紀書房 1993年刊)という本がある。著者の張承志氏は北京大学歴史学部を卒業後、日本の財団法人東洋文庫で研究員を務めていた頃、同書を執筆した。 <一八世紀の終わりころ、一七八一年、馬明心が蘭州で殺害され、彼のサラール人教徒たちが蘭州で起こした反乱も全滅した。それ以来、一三〇年にわたって差別、弾圧、禁止を受けつづけたジャフリーヤという教派は、二〇世紀初頭、清朝の滅亡と民国の成立を迎えるころ、以上にみてきたような各地に広がったと伝えられるほど、中国イスラム教スーフィー派の最大の一派になっていたのである。> 中国イスラム…