中国路は、大阪府大阪市から兵庫県西宮市までを結んでいた街道のことで、西宮市において西国街道と連絡する。
始点は、大阪府大阪市中央区の高麗橋。古くから交易拠点として栄えており、大坂の玄関口として栄えた。
高麗橋から難波橋を渡って北へ向かって茶屋町を通過する。茶屋町の先、中津で能勢街道と分岐。中津から十三までは、ほぼ国道176号線と同一である。十三から加島までは十三筋と平行している。神崎川を渡ると、最初の宿場町である神崎宿に到着する。神崎宿は現在でいう尼崎市営バス神崎停留所付近にあった。ここで有馬街道と分岐し、中国路はジグザグに南へ向かう。
尼崎城をかすめる様に通った後、竹谷町から西宮市までは旧国道とほぼ同じとなっている。そして西宮神社周辺で西国街道と合流、山陽道と名を変え山口県下関市まで向かう。
名称 | 所在地 | 種類 | その他,備考 |
高麗橋 | 大阪府大阪市中央区 | 橋 | 東横堀川に架かる橋。中国路の始点 |
中津 | 大阪府大阪市北区 | 追分 | 能勢街道と分岐 |
十三渡 | 大阪府大阪市淀川区 | 渡し | - |
香具波志神社 | 大阪府大阪市淀川区 | 名所(神社) | 数々の武将が参詣した名所 |
神崎渡 | 兵庫県尼崎市 | 渡し | - |
神崎 | 兵庫県尼崎市 | 宿場・追分 | 伊能忠敬も数回宿泊。有馬街道と分岐 |
大物 | 兵庫県尼崎市 | 名所(戦跡) | 源義経が出航した地。天王寺合戦の激戦地 |
寺町 | 兵庫県尼崎市 | 名所(寺院) | 戸田氏鉄が尼崎城築城の際に寺院を集めた場所 |
琴浦神社 | 兵庫県尼崎市 | 名所(神社) | 源融が祭神 |
雉ヶ坂 | 兵庫県尼崎市 | 名所(戦跡) | 山崎の戦いに纏わる伝承地 |
小松渡 | 兵庫県西宮市 | 渡し | - |
岡太神社 | 兵庫県西宮市 | 名所(神社) | 平重盛が城を構えたとの伝説がある神社 |
西宮 | 兵庫県西宮市 | 宿場・追分 | 西宮神社の門前町として栄えた場所。西国街道と連絡 |
西国の大名にとって、京都へ向かう西国街道とは異なり、大坂から京街道を経由して東海道へ向かう中国路が重宝された。
また、享保13(1728)年に、時の将軍・徳川吉宗に献上されるために江南(現・ベトナム)より上陸した象が中国路を経由して江戸へ向かっている。