中里裕司氏の日本史の賢問愚問を読んだ。本書は山川出版社の広報誌「歴史と地理」に連載されていた「賢問愚問」をまとめたものだ。 承平・天慶の乱 私が子供の頃は承平・天慶の乱と教わった記憶がかすかにあるのだが、最近はそのようには呼ばないで、天慶の乱と呼ぶらしい。これは起こったことを冷静に眺めると、乱がおきていたのは天慶年間であり、承平年間には乱は起きていないからである。実は江戸時代には天慶の乱と理解されていたのだが、なぜか明治・大正期の教科書や本で承平・天慶の乱と書かれ、それが広まったため、承平・天慶の乱と呼ばれたという事なのだが、一体誰が間違ったのだろう? 隠れキリシタン 本書に「隠れキリシタンは…