虹は消えない:大庭さち子 1950年(昭25)1月~12月、雑誌「富士」連載。 これもNDLデジタルで戦後雑誌(一部)の閲覧・通読が可能となって読むことができた作品だった。大庭さち子(1904~1997)は戦中期の作品もあるが、戦後特に少女小説の分野で旺盛に活動し、翻訳や少年少女向けの偉人伝、リライト作品も多い。大人向け小説としては、雑誌「富士」などに長短編を書いたが、なぜか単行本として出版されることはなかった。編集者の努力は別として「富士」の雑誌としての人気度もあったかもしれない。 虹は消えない:大庭さち子、中野淳・画 大阪の堂島にあるバーの妖艶なマダム蘭子は、製薬会社の社長の妾として甲子園…