社会学者の内藤朝雄が提唱した概念。
各人の人間存在が共同体を強いる集団や組織に全的に埋め込まれざるをえない強制傾向が、ある制度・政策的環境条件のもとで構造的に社会に繁茂している場合に、その社会を中間集団全体主義社会という。(内藤『いじめの社会理論』(柏書房)P21より)
この概念は、日本だけの特殊性を捉えたものではないが、ことに日本においてこの傾向は、学校や会社などの中間集団の組織原理において助長されてきた。
「自由な社会」とは、国家全体主義とともに、中間集団全体主義も弱められた社会のことである。