子供の頃、日曜日に母とデパートに行くのは心が弾むイベントだった。 何かを買ってもらえるわけでもなく特に欲しいものもなく、ただ新しい商品が綺麗にディスプレイされている中を歩くだけで何かワクワクするような。 近所のお友達に羨ましがられないようにデパートに行くことは言ってはだめよ、と母に諫められたような覚えがある。 そんな昭和な気遣いを子供の頃から仕込まれてしまったせいか、それとも日本の社会から自粛することが美徳とされることを仕込まれたのか、若いころは自分の意見を率直に表現するのを我慢するか後回しにしてしまっていたように思う。 年を重ねて楽になってきたのは開き直りと図々しさを身に着けてきたことと自分…