黄色いボディーが目を引く、銀座線のぎんちゃん。 地下鉄で働くぎんちゃんは、実はトンネルが大の苦手。 暗くて、ひゅうううと不気味な風の音、狭くて、ひとりぼっちで、 怖くてしかたがありません。 トンネルにはちいさな光が道をつくり、横のかべの染みや、まくらぎのかげが、 今にも動き出しそうで、ぎんちゃんは目をぎゅっとつむりながら走ります。 次の駅に遅れて到着したぎんちゃん。 お客さんを乗せたぎんちゃんはゆっくり動き始めました。 向こうから急に光るライトに驚き、ギリギリですれ違う狭いカーブに 思いっきりブレーキをかけ、 向こうから来る電車のテールランプがかいぶつの目に見えてきます。 とうとう怖くて前に進…