Book Review 15-13 時代小説 # 雪渡の黒つぐみ 『# 雪渡の黒つぐみ』(櫻井真城著)を読んでみた。著者は岩手県北上市生まれ。本書で第18回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。江戸時代の寛永二年(1625年)。陸奥では過激な新興宗教・大眼宗が台頭して、南部藩と伊達藩とが領地争いが燻っていた。そこにキリスト教迫害が絡む。南部藩の若き忍者Kは、隣国・伊達藩の動向を探る命を受ける。横手城を炎上させた謎の新興宗教・大眼宗教祖とは誰だったのか。その途中に女忍者や遊女として売られてきた娘と出会う。Kは手裏剣も弓も使わないが、どんな声も完璧に真似できる“声色使い”が特異な能力である。最後、キ…