『夢と生きる バンドマンの社会学』…。 かつては本気でバンドで食っていくことを目指していたいわゆるバンドマンの成れの果てであるわたくしにとって、気になりすぎるタイトルの本が出た。 人生を賭ける夢に出会えたことの幸福と困難――。いつの時代にも少数派ながら「卒業したら就職する」という、普通とされる生き方を選ばない者がいる。夢は諦めに終わるのか、形を変えて続くのか? 数年にわたる二十代から三十代のバンドマンへの貴重なインタビュー調査をもとに現代の「夢追い」のリアルな実態を描き出す。 こんな紹介文を書かれたら見過ごすわけにはいかない。 さらに目次に目を通すと、「フリーターか正社員か――夢追いに伴う働き…