著者:今村翔吾出版社:新潮社 豊臣秀吉を裏で支えた五奉行それぞれにスポットを当てた連作集。 五奉行とは 土木担当の増田長盛 司法担当の浅野長政 財政担当の長束正家 宗教・朝廷担当の前田玄以 行政担当の石田三成 石田三成は別として他は名前は知っていても地味な存在だったが、 流石、今村翔吾にかかると何と魅力的な群像劇に生まれ変わることか。 戦に主眼が置かれがちな時代にあって官僚の仕事もまた戦いなのだと 矜持をもって難事に立ち向かう姿に心が打たれる。 五奉行では数字の天才、長束正家のキャラが特に良し。 それと大谷吉継の存在もいい味を出している。 一方、千利休、徳川家康はすっかり悪キャラに書かれていて…