小林清親 東京名所図 2012年(平24)二玄社刊。《謎解き浮世絵叢書》の一冊。 幕末の北斎や広重の大人気のあと、明治維新以降の日本の風景画(版画)については、せいぜい文明開化の様子を描いた錦絵ぐらいしか記憶していない。 偶然にもNDLイメージバンクの中から『小林清親の光線画』 ndlsearch.ndl.go.jp という記事を見つけて、その光線画という木版画での斬新な表現に目を見張らされた。その関連図書として上記の本を読むことになった。 小林清親(1847~1915)は幕府の下級役の侍の家で育ち、戊辰戦争にも関わったが、明治維新で失職したため得意の絵筆で生計を立て直す決心をした。西欧の画法…