序文・牛若丸に剣術を教えた 堀口尚次 鞍馬天狗は、鞍馬山の奥、僧正ヶ谷に住むと伝えられる大天狗である。別名、鞍馬山僧正坊。 大天狗は、強力な神通力を持つとされる天狗である。さまざまな説があるが善悪の両面を持つ妖怪もしくは神とされ、優れた力を持った仏僧、修験者などが死後大天狗になるといわれる。そのため他の天狗に比べ強大な力を持つという。 牛若丸〈のちの源義経〉に剣術を教えたという伝説で知られる。鬼一方眼と同一視されることがある。 鬼一法眼は、室町時代初期に書かれた『義経記』巻2に登場する伝説上の人物。「法眼」とは僧侶に対する尊称であって、名前ではない。 京の一乗堀川に住んだ僧侶の身なりの法師陰陽…