撮影 渞 忠之 わたしは、義理の母が長年お茶をたしなんでおり、夫と結婚が決まった時に義理の母にお茶をやってくださいと言われたので、当初数年お稽古に通いました。そして夫の実家にいくと、いつも義理の母からお稽古をうけさせられました。 お稽古はたくさんの決まりごとがあり、何をするにも堅苦しくずっと緊張していなければなりませんでした。 はっきりいえば、めんどうくさいのです。 ですが、抹茶の色、趣あるお道具、楚々とした茶花、湯を沸かす窯から立ち上る湯気、お香の香り等は魅惑的でもありました。 学生時代からお茶のお稽古に通っている友人がおりましたが、その方は、「私はお茶ではなくて、茶道をやりたいの」と言って…