まずは、僕の話からでいいよね。 水色のなかま)ああ、いいよ。久しぶりだね。元気だった? まぁ、僕のことなんかはいいよ。 それより、先日、とむ君に会ってきたんだ。妻と一緒に家を訪ねて。 そうしたら、庭にも出てわりあい元気そうにしていたけど、話してみて痛々しかった。いつもの芸術家特有の、僕らに上から覆いかぶさってくるようなオーラもなく、声は張って出してたけど、またよく分からない話になって、なんか、かわいそう、と僕は感じたんだ。 それで、次の日、最近地震が頻繁に起こっているから、妻を説き伏せて、非常持ち出し袋の準備は大丈夫かと、とむ君に声をかけてもらった。妻は、とむ君と気が合わないと言って嫌がってい…