井上達夫『共生の作法-会話としての正義-』(25) 今回は、第2章 エゴイズム 第4節 ディケーの弁明 3 本質主義の彼岸 の続き(p.86~)である。(D:正義論者、E:エゴイスト。緑字は傍点の代わり) D:正義の問題を真剣に考えようとする者には想像力が必要である。「理知における卓越」を、人類エゴイストが理由として真摯に受容しているか否かをテストするには、彼の想像力に訴えなければならない。 私たち人間は、おなじ生物である動植物等を殺して食べている。「人間だから、殺して食べて良い」というあからさまな人間中心主義はさすがにとらないだろう(しかし、それ以上考えることをやめる)。では、人間と動植物等…