はしご酒(Aくんのアトリエ) その九十二 「ヤッカイナル ヒョウリイッタイ」 その本の表紙をボンヤリと眺めながら、「トビッきり重要なキーワードたちが、逆に、トビッきり厄介なモノになることもまた、充分にあり得ますよね」、と私。 「そりゃ~、間違いなくあり得るだろ」、と、間髪入れずに、Aくん。 あまりの即答ぶりに少々面喰らいつつも、同意してくれた嬉しさに気を良くした私は、さらにほんの少し体感温度を上げながら語りまくってみせる。 「人間というものにとって欠かせない、極めて重要なモノたち、たとえば、個性、自由、表現、さらには、愛や正義といったモノのその裏側に潜む厄介さのために、いつだって私は、モヤモヤ…