涙が止まらなかった。 よだれも垂れ流し。 身体は横たえ、できるだけ力を抜くようにした。 でも、目は頭上右斜めにある画面に釘付けだった。 記憶に確固たる自信はないものの、30年前は、もう少しふっくら張りがあったと思う。でも、今回は、張りも無くなって、ぺちゃっとしてる風に見えた。もっとも、単なる気のせいかも知れない。 数分前の会話 「メガネ、外しておきましょうか。」 「あの、様子を画面で観ることはできますか。」 「できますよ。じゃあ、メガネは着けたままにしましょう。」 メガネは着けたまま そんな会話の後、診察台の横に立つ。 「これが、鼻から入ります。」 「先がずいぶん細くなったんですね。以前はビー…