クリスマスはあまり好きではなかった。子供の頃は度の家でもケーキを食べていると勝手に思い込んでいた。テレビでは不二家のケーキの宣伝がよく流れていた。我が家にはそんな習慣はなかった。 年末になると、大掃除を手伝っていた記憶がある。また、わらを燃やして火鉢に入れる灰を作っていた気がする。低学年の頃は暖房と言ったら火鉢だけだった。炭だったのが豆炭になった。火力が強いので温かい。灰の中ににんにくを入れて焼く。これが美味しかった(他人には臭かったのかも)。また五徳の上に芋きりという干しいもをのせて焼く。ときにはスルメを焼く。家中にこの匂いが漂う。やがて火鉢は練炭火鉢というものに変わる。火力が強すぎて、上に…