『ウエイトスミス版』R吊るされた男 この一年を振り返り、わたしは頑張ったと胸を張れる。 思うように動けず、じっと考えることの多かった一年。もどかしいほどに小さな一歩だったかもしれない。それでも、わたしは確かに歩を進めてきた。 動かない現状、動かせない状況に「どうして?」と天を仰ぎ、自分が手にしたもののあまりの小ささに肩を落とした時もある。 それでも今年は特別な一年だった。水の中にいるかのように風の音すら聞こえず、わたしの呼吸だけが聞こえてくる。まるで、わたししか存在しない空間にいたかのよう。 状況はよくも悪くもなかったし、好転させることもできなかったけれど、したいことに没頭できるというなんとも…