「デジタル庁」発足から3年ほどになるが、彼らの努力は買うとしても、前編で述べたようなリテラシーを中央官庁が得るには、10年ほどの時間がかかると思う。さらに、行政機関特有の問題点もある。 民間・民間の取引では、資本主義の原則に従って商談を進めることが可能だ。仮に契約通りのシステムが出来上がらない、納期が遅れる、追加費用が発生するという事態となると、結局は発注・受注の双方がカネで決着させる落としどころが存在する。 それが行政機関が発注するものに関しては、この原則が成り立たないことがある。例えば、 ・急だが、仕様変更してくれ。大臣が国会答弁でそうしゃべってしまったから ・納期延長は無理だよ、法律で執…