生まれてまもない子犬状態からしつけができれば、色々と問題がなかったかもしれない。スーパードッグトレーナーなら、いまからでも間に合うかもしれない。ユクがうちへやって来たのは、生後八ヶ月齢くらいだったので、一応は子犬であった。たしかに来た頃の写真を見ると、少し幼さが残っている。ずっと一緒にいると分からないものだが、子犬っぽさがあった。 あどけなさの残るユク坊。 それに比べると、今は精悍な顔つきになった。いや、それは褒めすぎというか、言葉選びの妙というか。北鎌倉駅前で、踏切が開くのを待っているときなど、道行く人に「勇ましいお顔」だとか、「キリッとしている」などとお褒めの言葉をちょうだいすることがよく…