チャレンジングな著作。 題材が国際政治的な問題を十分に含むので、なかなか出版しにくかったのではないかな。でも、2024年10月初版で現段階で3版なので、売れているようですね。 ブログ題のうち<任那日本府考>は私が付けた副題で、書名にはありません。 さて、古代朝鮮にあったとされる「加耶又は任那」は、弁韓地方にあったとされる小国群の総称で、百済・新羅の双方からの圧迫を受け、ついには新羅に吸収されて滅亡するわけですが、その圧迫を受けていた時期の任那に存在したとされるのが「日本府」です。 この扱いが難しい。そもそも「任那日本府」なる用語は、国権主義的な日本書紀にしか現れないから、肯定的に扱うと戦前の朝…