■ 伊勢講とは「講」とは、あまり聞き慣れない言葉ですが、「グループ」とか「サークル」に近い意味と言えばいいでしょうか。古くからの村落では、「伊勢講」を初めとして、その他に「観音講」、「祇園講」、「愛宕講」、「庚申(こうしん)講」などの「講」がありました。この「伊勢講」というのは、中世末の戦乱によって神領を奪われ、その経済的維持に困った伊勢神宮が御師(おし)(1)を全国各地に派遣し、伊勢信仰を広めるとともに同信組織の確立に努めたことに由来するとされています。伊勢信仰は江戸時代に入って、世の中が落ち着くと、娯楽を求める庶民の要求と結びつき、月に一度の講日と5~6年に一度のお伊勢参りは、農村には欠か…