播磨屋が亡くなって、初めての歌舞伎座。偉大な座頭を失って、筆者は勿論だが歌舞伎座も大きな喪失感に包まれている事だろう。しかし場内には何の掲額もなかった。目出度い興行中に訃報は似つかわしくないと云う事だろうが、あれほどの役者を喪ったのだ。何らかのものがあっても良かったのではないだろうか。そんな中、出演している役者達は全員、天国の播磨屋に届けと云う思いで芝居をしているであろうと、筆者は信じている。 そして一部を観劇。流石に猿之助、いい入りだった。海老蔵と玉孝のコンビは別格として、今や歌舞伎界で最も客を呼べる役者の一人になったと云えるだろう。ここのところ家の芸を今のコロナ規制下に合わせて再編集する作…