豊後佐伯地方は人や物流の要路から遠く離れ、極めて僻地性の高い地である。すべて地勢の閉塞性による。ただ、海上だけは、唯一、外界への開放空間であった。この特異な地への歴史的著名人の往来の中に何か新たな発見でもないものか考えてみた。 まずは古代から江戸期までの旧街道との位置関係を見る。豊後には主要路が2街道ある。豊後街道(熊本~鶴崎間)と日向街道(中津~佐土原間)であるが、後者は利用度においては豊後街道ほどではなかったと思われる。佐伯城下からこの二つの要路は遠い。佐伯城下を人や物が通過しないのである。このハンディは大きい。最も近い臼杵城下まで直線距離で約20Km、陸路30Km、海路90Kmとなる。 …