ramutakabook.thebase.in 古き良き探偵小説を発掘し紹介する同人『ヒラヤマ探偵文庫』。これまで、『セクストン・ブレイク・コレクション』シリーズから「柬埔寨の月」、「謎の無線電信」、「ボンド街の歯科医師事件」や創刊間もない「週刊朝日」で連載された馬場孤蝶訳「林檎の種」といった大正期に週刊誌や探偵小説誌などに掲載された海外探偵小説をレビューしてきた。こうした古い海外探偵小説の一方で、同じく大正期に活躍した日本人作家の探偵小説もヒラヤマ探偵文庫では発掘して紹介している。今回レビューする森下雨村「二重の影」も大正期に発表された作品である。 「二重の影」は、表題作の「二重の影」と「幻…