社会学者。1955- 東京大学文学部卒、東北大学大学院博士課程中退(心理学)、86年シカゴ大学大学院修了(社会学Ph.D)。 現在、一橋大学商学研究科教授。 博士論文を元にした『Kamikaze Biker』(日本語版は『暴走族のエスノグラフィー―モードの叛乱と文化の呪縛』)で名を挙げる。フィールドワークや組織論に関する教科書の執筆でも有名。
フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる
組織と経営について知るための実践フィールドワーク入門
2024年9月30日 #個人 9月はなんといっても大学院に入学したことが最大のニュース。週数回の授業(平日夜間・土曜日中)が開始して、生活が激変した。今まで以上に時間に追われるし、睡眠不足は慢性化するし、食事の支度もできないことが増えたし、兎にも角にも慌ただしいけれど、それでもこの選択は正解だった。仕事と家庭との両立のバランスに試行錯誤しているので、早くペースを確立したい。7月の終わりから開始したオンラインの朝ヨガは、どうしても起きられない時はパスすることもあるけれど、基本的には継続している。 #家庭 子どもたちはそれぞれに新学期が開始した。長男は月末に風邪をひき、発熱したけれど、ほぼ丸1日で…
・面白くて刺激的な論文のためのリサーチ・クエスチョンの作り方と育て方 : 論文刊行ゲームを超えて アルヴェッソン,サンドバーグ,訳:佐藤郁哉,白桃書房(2023) 研究を考えるにあたって、問いの設定が非常に重要である。この本でも「良いリサーチ・クエスチョンはそれに対する答えと同じくらいに価値があり、時には答えそれ自体よりも重要である」との記載がある。現在でも問いの立て方の主流は「ギャップ・スポッティング」、つまり先行研究に含まれるギャップを明らかにする、もしくは新たにリサーチ・ギャップを作り出しそれを埋めることが主流となっている。しかし、ギャップ・スポッティングでは先行研究に含まれている問題を…
「学修成果の可視化」が公的な政策として掲げられた嚆矢は、おそらく平成25年(2013年度)教育再生実行会議「これからの大学教育等の在り方について(第三次提言)」(平成25年5月28日)と、それに続く文部科学省による平成26年度(2014年度)「大学教育再生加速プログラム(AP)」である。2000年代から名前を変えながら文部科学省によって続けられてきた、各大学に対して資金を配分することによって大学改革を推進する政策である。学部を対象にしたものとしては、「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」、「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」、「大学生の就業力育成支援事業(就業力GP)」な…
8月21日は,1913(大正2)年のこの日に東北帝国大学(当時)が日本で初めて女性の入学を許可した日(合格者3名[黒田チカ,牧田(金山)らく,丹下ウメ]が官報で告示)である。日本記念日協会は2020(令和2)年から「女子大生の日」としている。今年でちょうど111年になる。「虎に翼」の主人公・三淵嘉子が明治大学に入学したのが1932年であり,20年も早い。 「日本初・女子大生誕生の地」東北大学の特設サイト参照(→https://www.tohoku.ac.jp/tohokuuni_women/)。 -関連エントリー--日本初の女子学生→https://akamac.hatenablog.com/…
レポート課題 講義で取り上げた(取り上げる予定の)展示、視線、服飾、広告のどれかのテーマを選び、具体的な作品や事例を取り上げて論じてください。 取り上げた作品/事例のイメージを、かならずレポート内にレイアウトして掲載すること 参考文献は文末につけること(下記の字数には含めない) 字数:2000〜4000字 A4用紙縦使い、横書き かならずPDFで! 〆切:2024年7月28日厳守! コメント返し ゲイ・カルチャーとディスコ アメリカのディスコは性的マイノリティの集いの場だった|大江田信 ゲリラ(ゴリラ)・ガールズ ユーモアと風刺で美術界の問題を暴き出す。ゲリラ・ガールズインタビュー|美術手帖 …
企業の衰退に関して日本企業に特色があり、過去の破綻企業からヒアリング調査を行いまとめた本になります。読後の納得感は少し薄いものである理由には日本企業に絞って行い、日本的な価値観と紐づけながら結論を導くような形であり、結論ありきな側面が拭い切れなかった点は少しモヤッとする部分はあるものの、企業が衰退するサイクルというものがどのようなものであるのかという内容は国内外ともに当てはまるサイクルにあるように思うのでその点は勉強になる部分も多くありました。 特に一番疑問であったのはなぜ国内に絞っているのかという点ですが、自身で確認する中で特別日本企業のみ倒産が多いという情報はなく、日本はむしろ減少傾向であ…
更新記録 (2024年8月21日)履修のための課題は25日(日)が提出期限です。ギリギリに書き上げて提出するのではなく、いちど書いてからひと晩寝かせて、よく読み直して(読み手の立場でじぶんの思考を辿って)から提出するのがオススメです。いずれにせよ、期限(しめきり)の向こう側には「人」がいます。これも、ガーゲンのいう協応行為(co-action)によって成り立っていると理解できるでしょう。参考までに → しめきり(2016年に書いた記事です)理想的には1週間とか10日とか、寝かせておけるとよいのですが…。(2024年8月11日)履修のための課題提出まで、2週間になりました!「フィールドワーク展X…
1. Annas, Julia, Barnes, Jonathan(2015)『古代懐疑主義入門 : 判断保留の十の方式』金山弥平訳, 岩波書店. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB1882501X 2. Barthes, Roland(1984)『第三の意味 : 映像と演劇と音楽と』沢崎浩平訳, みすず書房. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BN00313249 3. Deleuze, Gilles(2008)『シネマ1*運動イメージ』財津理, 齋藤範訳, 法政大学出版局. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA87277674 4…
質的調査についての本をちゃんと読みたいなぁと思って手に取った。 小田博志 著『改訂版 エスノグラフィー入門〈現場〉を質的研究する』、春風社、2023年。 エスノグラフィー入門 : 〈現場〉を質的研究する 改訂版 | NDLサーチ | 国立国会図書館 そうそう、エスノグラフィーは周りのことをよく観察することから始まるんだよなぁ、旅行の日記とかちゃんとつけておくといいことあるんだよなぁ、などと最初ニコニコしながら読んでいたのだが、卒業論文書き直し(あるいは補論)を念頭に読んでいくと、特に第7章の『概念力をきたえる』と第10章『分析をする』において、かなり鍵となりそうなことが書かれていたので、発想の…
最新号の第178新学期号(2024年3月発行)が届く。 「座・対談」には第170回直木賞を受賞した小説家の万城目学,「あの頃の本たち」にはノンフィクション作家の川内有緒が登場している。 「気になる! ゴッホ」や18きっぷで松山(三津)を訪れてくれた中四国地方旅はおもしろく読んだ。 -バックナンバー紹介→https://www.univcoop.or.jp/fresh/book/izumi/index.html -関連エントリー--『季刊 読書のいずみ』第177号→https://akamac.hatenablog.com/entry/2023/12/28/162746--『季刊 読書のいずみ』…
2023年度の若林ゼミの卒業論文の第25回の課題です。 後期の授業が始まり、テキストに沿った独学の要素が強かった第11回までとは異なり、毎週のゼミの内容と連動しながら同期・非同期での相互コメントを活用して、卒業論文をブラッシュアップしていくことを目指します。※ 使うツールは都度変わることがありますが、基本的にお互いの回答を見ることができ、相互コメントをすることで学びを深めています。※ 2022年度から、『〈はじめての経営学〉ビジネス・リサーチ』(佐藤郁哉、2021年、東洋経済新報社)をテキストとして使用しています。 1月26日(金)24時までを目安に、(1)下記の質問へ回答してください。下記の…
2023年度の若林ゼミの卒業論文の第24回の課題です。 後期の授業が始まり、テキストに沿った独学の要素が強かった第11回までとは異なり、毎週のゼミの内容と連動しながら同期・非同期での相互コメントを活用して、卒業論文をブラッシュアップしていくことを目指します。※ 使うツールは都度変わることがありますが、基本的にお互いの回答を見ることができ、相互コメントをすることで学びを深めています。※ 2022年度から、『〈はじめての経営学〉ビジネス・リサーチ』(佐藤郁哉、2021年、東洋経済新報社)をテキストとして使用しています。 1月26日(金)24時までに、(1)自分の卒業論文について下記の質問に回答して…
なぜか年末感が全然なく、準備が手につかなかった2023年。明けてからの投稿となりましたが、2023年に読んだ本のレビューとオススメをピックアップしてみたいと思います。 都市住民としてちょうどよく暮らすには? 改めて2023年読んだ本をざっと見渡してみると、 「食」「農」「ジェンダー」「ケア」「人と経済」「人と自然」「民主政治」「武蔵野」 あたりが主なテーマでした。 以前から継続しているものが多い中、「武蔵野」が加わったことが2023年を象徴しているなぁと感じます。後年振り返れば、2023年は「東京(のような都市)に住みながらも、」というスタンスを決めた年になるのではないかと思います。仕事柄魅力…
2023年度の若林ゼミの卒業論文の第22回の課題です。 後期の授業が始まり、テキストに沿った独学の要素が強かった第11回までとは異なり、毎週のゼミの内容と連動しながら同期・非同期での相互コメントを活用して、卒業論文をブラッシュアップしていくことを目指します。※ 使うツールは都度変わることがありますが、基本的にお互いの回答を見ることができ、相互コメントをすることで学びを深めています。※ 2022年度から、『〈はじめての経営学〉ビジネス・リサーチ』(佐藤郁哉、2021年、東洋経済新報社)をテキストとして使用しています。 12月29日(金)24時までに、(1)若林ゼミや自分の卒業論文について下記の質…