仕事中だというのに、うっかり気がそれることがある。 思いの外近くで止まった緊急車両とか。 異常な長さのクラクションとか。 近所の幼児が、意味もわからず振っていく手を見つけたときとか。 立派な中年の私ですから、この流れでほっこりと文章を仕立て上げられたらいいんですけどねぇ。 数日前のこと。 太陽の気まぐれで、一日の気温差が10度をこえる晩春です。 私の仕事は、みなさんが目覚ましから叩き起こされる頃にはもう始まっています。 店のシャッターをあけ、道交法とのせめぎあいでギリギリをついていく程度に陳列棚を広げていきます。 市道、、だと思っていたごく狭い店舗前の道路が、どうも国道らしい。酷い道とかいて国…