送電線は送電経路毎に名前が付けられ系統として管理されている。ひとつの鉄塔には単独の系統の送電線だけを通すのが原則だが、同じ方向に進む複数の系統がある場合、ひとつの鉄塔に複数の系統の送電線を支持させる場合がある。これを併架といい、併架している鉄塔を併架鉄塔などと呼ぶ。
併架鉄塔に事故があれば複数の系統に支障が起こるなど送電路の保守運用上は問題があるが、用地買収などの事情により併架鉄塔はよく見られる。
ひとつの送電経路は2回線、6本の構成が標準なので、それ以上の送電線を支持している鉄塔は併架の可能性が高い。ただし鉄塔自身の番号札は支持している系統の代表的な系統の表示になっているため併架は確認出来ない。併架を確認するには鉄塔の根本付近や鉄塔の上部にある回線標を探す。
また併架鉄塔を辿っていけば併架した系統が分岐する場面を見ることもできるはずだ。
写真は練馬線231号鉄塔の根本付近にあった回線標。この鉄塔は4回線鉄塔だが上段2回線が練馬線、下段2回線が板橋線であることが分かる。数字の「2」は系統毎の回線の番号と思われる。反対側は「1」と書かれていた。
なお練馬線は田柄変電所から、板橋線は東武鉄道ときわ台変電所から戸田変電所を結ぶ2回線の送電路。練馬線の233号からふたつの系統は併架され4回線鉄塔となり戸田変電所まで進んでいる。