見えない世界の話である。 これは、霊現象やその他オカルトに興味のある方向けの話と言って、いいかもしれない。 大多数にとって、見えない世界を信じることは、怖いことのようで、拒絶する人も多くいることだろう。 そのような人にとって見えない世界にそれほど意味は生まれない。 しかし、Xの場合は少し違った。 Xは、前述のW氏(偽ツインと思しき方)ほど、ハッキリ霊がみえるといったことはない。 ところが、幼少期から、少ないながらも、声を聞くことがあったという。 いわゆる今際の際の声というやつだ。 一度目は小学生の頃、病んで死を待つばかりの、家にいるはずの飼い猫の声が、学校で授業を受けているにも関わらず、聞こえ…