百人一首No.41. 壬生忠見(みぶのただみ):恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人しれずこそ思ひそめしか 恋をしているという私の噂が早くも立ってしまった。誰にも知られないように心ひそかに思い初めていたのに。 N君:「まだき」は副詞で「早くも」「もう」の意。あまり使われませんが現代でも「朝まだき」という言葉があります。これは現代では名詞になっていて、朝方のまだ夜が明けきらないころ、つまり「未明」の意です。本歌では上句と下句が倒置されていて、本来は「人知れずこそ思いそめしか 恋すてふわが名はまだき立ちにけり」です。この場合「係り結びがそこで終わらずに続いていく時には逆接の意」を表すので「思ってい…