元恋人の夢を見た。前半は随分と昔の記憶をなぞるようなもの、後半は妄想の“この先いつか出会ったら”という内容だった。これは“未練”なのかしら。私は、今の恋人に気遣って、未練などない、と言っているのだろうか。けれども“良き思い出”にできていないのもまた事実である。 過去の出来事は案の定美化されて、日常の些細な衝突も今思えば可愛らしいものばかり。離れるきっかけをもはやはっきり思い出せないのもやはり美化の弊害で、どんなに悔やんでる表情の自分を思い浮かべようとも、自分で考え、選択して、“恋人”を終わらせたのが変わらぬ事実としての記憶だ。勘違いはない。その後、恋人ではない形で何回か会っているが、名前を付け…