もし、これが冤罪(えんざい)だとしたら…。ことの重大性に背筋が冷たくなります。公開中のドキュメンタリー映画「正義の行方」(木寺一孝監督)。1992年に福岡県飯塚市で起きた「飯塚事件」に迫りました ▼殺害されたのは小学1年生の少女2人。登校中に行方不明になりました。直接証拠がないまま、DNA型鑑定が決め手となって、“犯人”逮捕。でもそれは、導入されたばかりで足利事件で冤罪が確定したのと同じDNA型鑑定でした ▼監督は黒澤明の「羅生門」の手法を取り、当事者それぞれの主張を並べます。捜査にあたった警察、「重要参考人浮かぶ」の一報を打った西日本新聞、死刑執行後に再審請求をした弁護団…。何が本当なのか。…