新規採用の頃、「何て厳しい職に就いてしまったのか、もっと楽なところと思っていたのに」と後悔したことがある。各種の校内外の研修会で話される内容や指導等はすべてに完璧を求めているように感じた。とても自分にはできそうもないし、体がいくつあっても足りないとも思えた。やることの多さや厳しさに押しつぶされるような気持ちになった。 ある宴席で、教師は何もかもできて当然と私には受け取れるような会話がされていた。意見を求められたのか、黙っていられなくなったのか、「何もかもできないということが分かんない程、馬鹿じゃない!」と喚(わめ)いてしまった。すると、一人の先輩が生意気をたしなめるどころか見事な三重否定と肯定…