秋晴れの穏やかな午後、公園を歩いた。たまに通る風が木の枝を揺らし葉と葉がこすれあって木のさざ波のような音が安らぐ。木漏れ日も夏のスポットライトのような強いコントラストはなく柔らかなグラデーションで地面をチラチラ照らしている。 ああ、いつまでもどこまでも気持ちよく歩いて行けそうだ。今日の夕食は何にしようか?そういえば柿をまだ食べていないな、彼女はあの後どうしているだろうか?とりとめのない事をあれこれ考えながら歩く。 昨日という日は取り立てて印象深い出来事もなく、この日はこれからの毎日の日常に埋没して忘却してしまう日の一つだろう。これから何年後かに、偶然この日を思い出すだろうか?似たような日に山積…