江戸の町を舞台にする火消し組の活躍を描く「羽州ぼろ鳶組シリーズ」の第4巻ですが、本書の舞台は京都です。京都西町奉行に転任した長谷川平蔵からの依頼で京に呼ばれた松永源吾らが挑むことになるのは、奇怪な連続付け火事件でした。全く火の気のないところから人を焼き尽くす炎を起こすというのは、どのような手法を用いているのでしょう。そして一連の事件の背後に潜む巨悪の正体と、その狙いは何処にあるのでしょう。 乾燥油である亜麻仁油は、乾燥する過程で空気中の酸素と結合して酸化反応を起こすとのこと。その反応熱が発火点に達すると火災が起こるというのですが、それを可能にする器具が発明されていたんですね。携帯用の火消道具で…