昔から思うことがある。海原雄山の生き方はしあわせなのだろうか、と。 いや、『美味しんぼ』最新巻あたりの海原雄山は孫までできてなかなかしあわせそうに見えるのだが、ここで取り上げたいのはそういう話ではない。 美味しんぼ(100) (ビッグコミックス) 作者:花咲アキラ,雁屋哲 小学館 Amazon 「きびしい評論家」としての海原雄山のあり方は矛盾していないだろうか、ということである。 いうまでもなく、でもないかもしれないが、海原雄山は作中で最高の陶芸家にして料理研究家である。 かれは日本料理に精通し、「至高のメニュー」という一連の料理を創案するほどその実力は際立っているということになっている。 し…