円珍俗姓系図 『円珍俗姓系図』とは智証大師円珍が俗世にあったときの一族の系図をいいます。 円珍は讃岐国那珂郡(現在の香川県善通寺市)の人で、弘仁五年(814)の生まれ。円珍の母は空海の姪で佐伯氏の出身といわれています。 円珍の僧としての経歴を摘記してみますと、15歳のとき叔父の僧仁徳に従って比叡山に登り、のちに初代座主となつた義真(ぎしん)について天台を学びます。20歳で菩薩戒を受け、その後、12年間籠山の修行をして延暦寺の学頭になりました。 40歳のときには入唐して天台山で天台止観を、長安で真言密教を、各地で高僧に学んだのち、多数の仏典・仏具を携えて858年に帰国。 翌年(貞観1)に滋賀県大…