またもや、良書と出会った。図書館の棚から目に飛び込んできた『愛媛県新居浜市上原一丁目三番地』(鴻上尚史著、講談社、2023/3/27発売)。 作家、演出家、映画監督として活躍されている鴻上尚史氏の自伝的小説。いや、自叙伝なのだろうか? 新居浜市で過ごした幼少期から高校時代、早稲田大学演劇部で汗を流した時代、そして、現在へと3部仕立てで「僕」の物語が一人称の視点で淡々と語られていく。 新居浜市は私の故郷でもあり、著者は同じ高校の2年先輩。しかも、小学校と中学校という違いはあるが、両親はともに教師という共通点付き。私のノスタルジアが発動しないわけがない。 出てくる地名や世界史の三井先生といった固有…