男同士の奇妙な連帯感というものは、ときに唐突にやってくるものである。 その日も偶然だった。 若かりし時分、およそ20年前の話になるが、以前に働いていた勤務先での出来事である。 その日、少々、気の重くなる、憂鬱な仕事をまわされたのだが、それは自分と直属の上司、そして社長の3人で、近々に立ち上げ予定の出張所候補物件を見に行くという仕事だった。 当時の自分は20代後半、上司はアラフォー、そして50代後半の社長という、世代がまるで異なるメンツで、社用車で現地へと向かうという出張日帰り業務である。 そもそも自分はこの件に関してそれほどタッチしていなかったのだが、現地でも細かく移動するためクルマを運転する…