江戸時代の鹿児島藩(薩摩藩)では、外城制という地方統治の仕組みがあった。各地に武士団を配置し、その集落を「外城(とじょう)」あるいは「麓(ふもと)」「郷(ごう)」と呼ばれた。 薩摩国の出水麓(いずみふもと、鹿児島県出水市麓町)は、外城の中で最大規模を誇る。肥後国との国境は近く、精強な武士団が守りを固めていた。 現在も、17世紀初め頃の街並みが残っている。「出水麓武家屋敷群」として国の重要伝統的建造物群保存地区に指定。また、日本遺産にも認定されている。観光地としてもよく整備され、散策を楽しめる。 武家屋敷のうち「竹添邸(たけぞえてい)」「税所邸(さいしょてい)」が一般公開されている。この記事では…