明治期に絵草紙屋が新刊雑誌も販売した時期があったという。今回、日記中にその実例を発見したので紹介しておこう。 (明治二十五年四月) 九日 (略)不覚柳町の雑誌屋まで行きぬ。雑誌屋にて古き国民之友二三冊買ひ求め、(略)途中八銭五厘を出して、新しき国民之友二冊を細工町の雑誌屋へ誂へ(略) 十一銭雑誌代 (明治二十五年五月) 三日 (略)昨夜故郷なる愛弟より葉書もて、先月分少年園未だ到着せず、如何なる訳にや、金はなほ六月迄ありしと思ひしに、何かの間違ひならむ、何卒早速御発送を乞ふ旨申し来りければ、即夜これ全く絵草紙屋の失念ならむ、この事は素て佐藤氏に托し居ることなれば、至急同氏に照会し、絵草紙屋より…