アハブ王は手入れの行き届いた王宮の庭で、地続きのブドウ畑を見ていた。以前その畑を見学したが、日当たりもよく、そこから眺める景色は格別だった。 ほしいなと彼は思った。 突然、王はフルフルと首を振った。 それから、あごの下のたるんだ皮膚を右指で摘み寄せた。頭から離れないのだ。あの預言者の言葉が頭の中を駆け廻って。あの男は、勝利の美酒に満たされていたわしの顔に冷水を浴びせたのだ。あいつは凱旋して来るわしを道端で待っていた。顔に包帯を巻いたまま、敬謙に膝をかがめて言った。「王様、王様、私は戦に行った者ですが、ある人が私に言いました。 『この人を守りなさい。彼がいなくなれば、あなたの命か、銀一タラント*…