ああ、なんとご立派になられたことだろう。祭司エホヤダの目頭が突然熱くなった。 おや、おや、私たちは彼から怠慢を指摘され、今怒られているところだったな。小さな可笑しみが彼の口の端にのぼろうとしたのを、エホヤダは奥歯を噛んでこらえた。涙がこぼれた。妻エホシバがアタリヤの魔の手から救い出した幼子。パッチリと開かれた目が、父君にそっくりだった。あの時から、片時も目を離さず、神殿の中で守り育ててきた。 6年が経ち、7年目のあの日、祈りに祈って、計画したことを実行に移した。 賭けだった。 6年が過ぎてもアタリヤの目は厳しく、彼女にとって不利な人間には、容赦しなかった。そんな中での、エホヤダがとった行動はと…