エリヤは一枚の衣をこの地上に残して、跡形も無く掻き消えてしまった。エリコの町はその話題で溢れていた。なんでも弟子のエリシャさんがその後を継がれ、ヨルダン川の水を止め、川底を歩いて帰って来られたとか・・そんなことが出来るものかねぇ?モーセ様も、ヨシュア様も、わしらのご先祖様も、ヨルダン川の川底を足も濡らさずに歩いたぞ!!そうだ、そうだったな。お師匠様の二倍のお力を頂いたとか・・ そんな立ち話にふと足を止めて、熱心に耳を傾けている女が居た。そうして、その輪の中に入っていこうかどうしようかと足踏みをして、思い余ったふうにおずおずと近づいてきて言った。 あのう・・もし・・・お、どうした?今皆様の話を・…