見渡す限り、遮るの物の何も無い場所。 背の低い雑草のたぐいがあたりを覆っているだけ。 そして、その先には、まだ誰の足跡も付いていない白い砂地が水際まで続いている。ナアマン将軍は馬上でしばらく行き交う風の音に耳を澄まし、キラキラと戯れながら時をかけて流れる川の水面を、まぶしそうに目を細めて眺めていた。 この場所しかないのか? ほかの場所ではだめなのか?彼は案内してきた若者に声をかけるともなく言った。 将軍がそのように言っておられる、 どうなのだ?従者はせかすように若者に言った。 はい、ここです。 エリシャ様がおっしゃられた場所です。 ここ以外のどこでもありません。若者は淡々と語り、ナアマン将軍の…